自然のエレメントとの戯れ

2010年02月20日

 土いじりに関わりだすと、周囲の気温や湿度などに敏感になって行きます。普段は自分の心地よい状態の中で仕事をしていますが、土を扱い出すと土が主役。自分が多少寒くても暑くても土の良い状態を保つためなら我慢、我慢です。

 

 陶芸は、まず土を練ることから始まります。この土練りが大事でこれをおろそかにすると良いものは出来ないと、作るものをイメージしながら丁寧に練るようにと、習いたての頃に何度も何度も教えられたことです。そして、菊の花のように土を練り上げる菊練りができるようになるとやっと半人前、かたちを作ることが許されます。

 

 

 かたちを作るのは、手びねりやろくろなどいくつかの方法がありますが、いずれも土の状態を見極めることが第一です。

 

 自分の手の状態も大事です。乾きすぎていても濡れすぎていてもだめで、手が温かすぎても土がすぐ乾いてしまうので気をつけなければなりません。

 

 集中して呼吸を整えて土と『格闘!』と学生時代にそう言って教授から「ばか、そんなことを言ってるうちはだめだ」と言われました。

 『え、では土と心中ですか?』と言い、ますます呆れられたことを思い出します。

 「土と心を通わせ、自分が土に入って行くように・・・」作ることが大切だそうです。

 

 

 やっとかたちが完成したと思ったら、次もなかなか神経を使う乾燥が待っています。

 成形後の土はゆっくりと乾燥させます。この時いっきに乾燥が進むとヒビが入ってしまいますし、気温が高すぎると土がだれてしまうこともあります。

 ただ置いたまま自然乾燥で良いと言う訳には行きません。

 乾燥の度合いを見ながら、風のあたり具合を調整したり、向きを変えたりなど、気が抜けない作業です。

 

 乾燥したら次は焼成、窯に入れて素焼きをします。

 温度の上がり具合や空気の送り具合はもちろん調整しますが、窯に入れてしまうと半分は神頼みならぬ窯頼み、窯から出すまではどうなっているかはわかりません。

 

 近頃私が扱っている土は素焼きに18〜20時間を要しますが、この間はドキドキして窯の周りをウロウロしています。

 窯から出して、思った通りのかたちが焼き上がっている時はなんと嬉しいことか・・・「ありがとうございます』と口に出して言ってしまうこともしばしばです。

 

 陶芸はまさに自然との戯れ。土、風、水、火の4つのエレメントと人の手が合わさってできる造形です。

 そのエレメントを上手く扱えず、失敗も少なくありません。

 失敗した時は、もう土から扱うは嫌だなと思うのですが、土をいじり出せばそんなことは忘れて夢中になります。
 土に触れることで気持ちが癒されるような気がします。

 

そして、この後に絵付けが待っている訳ですが、これはまた次回・・・

▲ページTOP