第4回イタリア研修旅行〜シチリア編〜 1.陶器工房La Fabbrica della ceramicaを訪ねて

2011年06月15日

日程/2011年5月21日〜29日 (9日間)
企画/ラ・チェラミカ
旅行取扱/近畿日本ツーリスト株式会社 首都圏西団体旅行支店

 

 4回目となるこの研修旅行は、今までの集大成ともいえる旅です。イタリア陶器を知るに、イタリアの食、文化を知るにも欠くことが出来ないシチリア・・・多くの人々を魅了し続けるその土地をしっかりと味わってきました。
 コラムでは、この旅行で訪れた陶器の工房や街を取り上げてご報告して行きます。同時にブログでは、あれこれ楽しいシチリア、美味しいシチリアのお話を、どうぞお楽しみに・・・。

 

陶器工房 La Fabbrica della ceramica を訪ねて

 

シチリア入りをした3日めの月曜日、念願のDe Simone さんの工房を訪ねる事が出来ました。
 私は20年ほど前にこの工房を訪ねており、その色彩の世界にすっかり魅せられました。「陶器でこんなにも鮮やかに、こんなにも自由に色彩が表現出来るんだ」と感動した気持ちを今でも忘れません。今回自分自身がもう一度訪れたかったですし、皆さんにもぜひ見ていただきたい工房でした。この研修旅行が決まるとすぐに日本の代理店の方にお願いしするなどアポイントを試みたのですが、なかなか良いお返事がいただけませんでした。
 でも、どうしても行きたい! そこで、イタリアに住む友人にお願いし、現在工房を監督していると言われるスザンヌさんに直接連絡を取っていただきました。そして、念願の訪問です。「叩かねば開かん、じゃなくて扉は開くまでがんがん叩くのよ」と教えてくれた友人の言葉を思い出しました。

 

De Simone さんの工房

 

 ここで、デ・シモーネさんについて少しご説明しておきます。
 Giovanni De Simone (ジョヴァンニ・デ・シモーネ)さんは1930年10月28日パレルモに生まれ、ファエンツァの陶芸大学にて陶器製作を学びました。(ファエンツは第1回の研修旅行で訪れています。行かれた方は資料をご参照下さい。)
 その後ピカソに出会い、ピカソと共に陶芸活動をしていました。ピカソは南フランスのヴァロリスに自身の窯を開き、そこを拠点に晩年は陶芸の制作にのめり込んだと言われています。(ヴァロリスにあるピカソの窯は第3回の研修旅行で訪れています。行かれた方は資料をご参照下さい。)
 1951年プロとして活動開始し、その後多くの作品を作り出し、数々の賞を受賞しています。その作品はニューヨークやミラノの美術館でも見る事が出来ます。

 

 

La Fabbrica della ceramica  ジョヴァンニ氏が1991年3月23日に亡くなった後は三女のマルゲリータさんが跡を継いでいました。しかし、残念ながらマルゲリータさんの工房が閉鎖してしまいます。その後は、ローマに自身の陶芸工房を持ち、各地で活躍していた次女スザンナさんがパレルモに戻り、2007年からデザインなど指揮・監督する ”La Fabbrica della ceramica” という社名の工房で唯一DESIMONEと名乗る製品を作っています。
 現在の作品(商品)には”DESIMONE”という裏印ではなく、”La Fabbrica della ceramica”と入っています。

 

 

 かなり緊張して訪問した私たちをスザンヌさんは笑顔で迎えて下さいました。工房に入ると興奮気味でがやがやしている私たちに、「大丈夫? 制作過程を順番に案内しますからついてきて」と。
 現在この工房では成形の部門と釉がけをする部門、絵付けをする部門に分かれています。成形と釉がけはいずれも男性スタッフが担当していましたが、絵付けのスタッフ8人ほどは全員女性でした。

 

 

絵付け  先ず、石膏型を使って形を作ります。石膏型に泥しょうを流すのかと思っていましたが、ここでは練られた柔らかめの土を押しあてて形をとっていました。成形後1週間ほど乾燥させてから素焼きをします。その後、スマルト(白釉をかける)します。
 スマルトの後は24時間乾燥させてから、いよいよ絵付けに入ります。

 

 

 

絵付け  絵付けのスタッフも、アウトラインを描く人、中に色をさしていく人、そしてスザンヌさんが「特別の絵付け」と説明されていたろくろで線を巻いていく人など担当が分かれているようです。

 

 

 

 絵付けが完成した状態では、まだ発色が出ていませんが、これを再度焼成すると皆さんがご存知の鮮やかな陶器が誕生します。

絵付け

 

 制作過程を見せていただいた後は、ショールームへご案内下さいました。

 

ショールーム

 

 そこはまさにDE SIMONEの世界、一斉に「わーっ」と声があがりました。「ここで購入する事はできますか」と聞くと、「もちろん」とスザンヌさん。さらに、「奥のコーナーは少し色の間違いやちいさな傷があるものなので、かなりディスカウントした価格でご提供します」と。その後の私たちの行動は想像にお任せします。

 

 スザンヌさんと写真を撮ったり、お話をうかがったり、そして思う存分陶器を買い込み、工房を後にした私たち。「楽しかった〜」と興奮気味の皆さん、「最後の買い物で興奮しちゃってちょっとくたくた〜」と。
 充実した工房見学が出来たこと、スザンヌさんはじめスタッフの方々、そしてコンタクトしてくれた友人に心より感謝致します。

 

ショールーム

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