第4回イタリア研修旅行〜シチリア編〜 2.陶器の街Santo Stefano di Camastraを訪ねて

2011年06月27日

2 陶器の街 Santo Stefano di Camastra を訪ねて

 De Simoneさんの工房を訪ねた午後、知る人ぞ知る陶器の街サン・ステファノ・ディ・カマストラに向かいました。旅行を企画した当初の予定ではこの訪問はなかったのですが、やはりどうしても!と思い、急きょ日程に加えました。
 旅行会社の方にその旨をお願いすると 「サン・ステファノという街はいくつかあるのですが、まさかパレルモから100キロ以上も離れたカマストラではないですよね?」と。「すみません、そのカマストラです・・・」
 このS.S.Camastraはパレルモ県とメッシーナ県の県境にある海沿いの街です。と言っても周りを山に囲まれているので訪れると山間の街という印象を与えます。高速を降りてすぐの街道には陶器の工場が沢山あり、くねくね道を上って街へ入るとの道の両側には陶器のショップが建ち並び、まさに陶器の街です。
 S.S.Camastraは、この後訪問するカルタジローネと並んで良質の陶土が取れることで、古くから陶器の産地として栄えたところです。陶器のツアーならやはり行かなくちゃ・・・ですが、とにかく不便な場所にあります。パレルモからでもカターニャからでも100キロ以上はあり、しかも交通手段は車のみ。
 驚いている旅行会社の担当の方に、「この街に入ると右も左も色鮮やかな陶器が並んでいて、思わずキャーと声をあげますよ! 皆さんにもぜひ陶器の街に来た〜っという実感を味わってほしいんです!」と熱弁をふるい、強行突破をしてしまいました。すみません、でも、訪問出来てよかったです。ご無理を聞いていただいて、どうもありがとうございました。

 

Duca DI Camastra

 

 訪問した Duca DI Camastra は豊富な絵付けのバリエーションを持っている工房です。毎年ミラノで開催される見本市 macef-International Home Show を2002年に訪れた際、出展していた Duca DI Camastra のブースを訪ねたのが初めの出会いです。その翌年このCamastraにある工房を訪問しました。今回久々にお会い出来るかなと楽しみにしていましたが、当時の担当者は今は在籍しておらず、ちょっと寂しかったです。
 この工房は絵付けのみを専門にやっていて、成形は他の工房に委ねています。陶器のタイルやフラワーベース、プレートの他、ダイニングテーブルやキッチンの天板も制作していて、その素材がちょっと変わっています。
 テーブルや天板にはなんと溶岩石が使われているそうです。これらの大きな平らなものは、陶器で造ると成形から焼成の段階でそりやひびが出てしまう事が多いのですが、溶岩石だとそのような心配がなく、また強度もあるので適材だそうです。

 

要岩石のテーブル

これが溶岩石のテーブルです。

 

 要岩石のテーブル

これに白釉をかけ、十分乾かしてから絵付けをします。

 

 

溶岩石のテーブル

この大きさのテーブルの絵付けにかかる時間はおよそ2日半、と聞いて一斉に「え〜っ」と驚きの声があがりました。

 

溶岩石のテーブル

絵付けの段階では色あせたような色調ですが、焼成すると鮮やかな色彩に!

 

 その後、素焼きを造っている工房を訪問します。ここでは石膏型やプレス型を使って様々な素焼きを製造しています。特徴的なのは、透かしの技術です。

 

成形直後の透かしの素焼き

これが成形直後の透かしの素焼きです。

 

 焼成後の素焼き

1週間程乾燥させて後、焼成すると素焼きの完成です。

 

 見学の後は素焼きの購入タイムです。皆さん日本に持ち帰って絵付けをする材料を夢中で物色。日本では見られない素焼きが沢山並んでいて、出来るならあれもこれも・・・でも、この後完成品も買いたいし、明日のカルタジローネでも買いたいし・・・大変です。

 

 そして、街の陶器ショップの散策タイムです。 まずは、Duca DI Camastra  の直営ショップへ。
Duca DI Camastraの直営ショップ

 

テーブルも売っていました。「日本まで送ったらいくらになりますか」と購入を検討する方も。
テーブル

 

 街中のショップは沢山ありすぎて、とても全部はまわりきれません。この街の特徴でもあるレモンの柄や赤が鮮やかな陶器など、どれを買おうか迷ってしまいます。

ショップ

 

ショップ 

 

 

お皿

 少し他とは変わった雰囲気のもので、テラコッタの生地を生かし、白との対比が美しい繊細な技法の陶器もありました。お皿の中央はグラフィート(削り込み)の技法、リムの部分はエンボシングが施されています。このデザインの陶器はグッピオやデルータでよく見かけるのですが、シチリアで見たのは初めてです。

 

 もっと買いたかったな、と思いつつ・・・でも、両手に持った重みを感じ「これくらいにしといてよかった」とも思いながら、S.S.Camastraを後にしました。
 午前、午後とたっぷりと工房見学をした私たちはパレルモへの帰路のバスではちょっとぐったり、すやすやとしばしの休憩でした。

 

 

 

 

 

▲ページTOP